故障と思われる前に、トラブルシューティングをご確認ください。返品のお客様のエアブラシの原因を調査していると、9割以上のエアブラシが実際には壊れておらず、正しい調整や使用方法の理解不足が原因です。そのため、エアブラシワークスではAWシリーズのトラブルシューティングガイドを提供しています。多くの一般的な問題は、適切なメンテナンスや使用方法の調整で解決できます。問題が生じた際には、まずこのトラブルシューティングガイドを確認し、指示に従ってください。
目次から症状を選択して下さい。
症状1 塗料が出ない
塗料が出ない原因と対処方法です。
原因1 エアー圧が低い
まずはここを疑いましょう。正常な空気圧にセッティングして下さい。
機種別空気圧
AW-1、AW-2、AW-4 → 0.07〜0.16MPa
AW-3 → 0.1〜0.2MPa
原因2 塗料が濃い
希釈剤を入れて正常な粘度に調整して下さい。
エアブラシで濃い塗料を使う際、カップ内で薄める必要がある場合、濃い塗料を先に入れるとノズルの先端までうまく混ざらず、濃い塗料がノズル先端部分に残ってしまい塗料が出にくくなることがあります。そのため、薄めるときは先に希釈剤を入れて、後に塗料を加えるのが良いです。そうすることで、塗料が均一に混ざりやすくなります。
原因3 ニードル固定ネジが緩んでいる、またはニードルアジャスターが締まっている
返品のお客様の原因を調査していると、ニードルを固定しているニードルナットが緩んでいる場合が多くあります。
ニードルナットを締めて下さい。
ネジをきつく締めてもニードルが動いてしまう場合、ニードルガイドの不良が考えられます。ニードルガイドの不良は初期不良の可能性が高い為、保証の対象をなります。エアブラシワークスサポートチームにお問い合わせ下さい。
稀にあるので一応掲載しておきます。
ニードルアジャスタが締まっているとレバーを引けません。
全開の位置でご使用下さい。
原因4ノズルが詰まっている
サフやメタリックなどの顔料が重く沈殿しやすい塗料を使用していると、しっかり洗浄しているつもりでもノズルが詰まります。
サフやメタリック、ホワイトなどの顔料の重い塗料は長時間放置すると塗料の通路の底やノズルの底に沈殿します。沈殿してしまった塗料はうがい洗浄などしてもしっかりと洗浄が出来ませんので、定期的にノズルを分解して洗浄が必要です。
画像は塗料の出が悪くなったと返品されたお客様のノズルです。お客様ご自身によるメンテナンス不足が原因の場合、本来は保証の対象外となります。
ノズル内部はルーペを使用して確認します。完全に詰まっている場合は目視で確認出来ます。
ノズル内部の洗浄方法を解説します。
まず、洗浄液に10分程浸します。
ノズルOリングは耐溶剤となっていますので、10分程なら問題ありません。しかし数時間浸けておくと劣化する場合があります。
メンテナンスニードルを回転させて内部をほじります。
持っていない場合、古いニードルで代用できます。
もう一本のエアブラシを持っている場合、洗浄液をノズル内部に吹き付けて洗浄します。
ノズルを分解した場合再調整が必要です。必ず下記の記事を参照してノズルを取り付けて下さい。
症状2 塗料は出るが調子が悪い
原因1 ニードルの汚れ
エアブラシで細かい作業をしていると、ニードルに塗料がこびり付き、塗料の通路を塞いでしまう為、塗料が出にくくなってしまいます。特に濃い塗料を使用し細かい作業をしていると、この症状が起こり易くなります。
ニードルの掃除は100円ショップで販売しているメラニンスポンジがお勧めです。
メラニンスポンジを小さな容器に詰め込んで、洗浄液などを浸します。
メラニンスポンジにニードルをプスプスと刺すと、ニードルの汚れが簡単に落ちます。
原因2 ノズルキャップの内側とノズルが汚れている
ノズル回りとノズルキャップの内側に塗料が付着していて調子が出ない事が非常に多いです。
弊社が20年以上運営していたエアブラシスクールでは、調子の悪い生徒さんのエアブラシはまず初めにノズルキャップの掃除をします。
ノズルキャップ内が汚れている場合、大抵はノズルも汚れています。ノズルも確認して汚れていたら掃除をして下さい。
ノズルキャップの内部は尖がり綿棒やティッシュを尖らせて洗浄液を付けて清掃して下さい。
ノズルキャップとノズルの間のわずかな隙間は、エアブラシの機能にとって非常に重要です。この部分で負圧が生じ、それによって塗料が吸い出される仕組みになっています。この隙間が塗料などで汚れると、気流が乱れてエアブラシの調子が悪くなることがあります。もしエアブラシの性能に問題が生じた場合は、最初にこの部分を丁寧に洗浄することをお試しください。それだけで、多くの場合、性能が回復することが期待できます。
原因3 ノズルキャップが緩んでいる
ノズルキャップが緩んでいると調子が出なかったり、塗料カップからエアーが逆流します。
AWシリーズにはノズルキャップの根本にOリングが装着されています。しっかりと締めたつもりでも奥まで締まっていない場合があります。しっかりと奥まで締めて下さい。
しっかりと締める事が出来ない方はペンチなどを使用して奥までしっかりと締めて下さい。
ノズルを奥までキツく締め過ぎている機種は、少しの緩みでエアーが逆流する場合もあります。
原因4 押しボタンを逆向きに挿入している
お客様からの返品で最近多いのが、ご自身で分解組み付けをした際に、押しボタンを逆向きに挿入していて、押しボタンのレバーを物理的に最大吐出量の位置まで引けずに、いくら全開にしても塗料の出が悪くなる症状があります。急に以前よりも塗料の出方が悪くなったと感じる場合はこの原因4と次にある原因5が原因です。
押しボタンを逆向きに挿入した場合、全開の位置までレバーを引けません。
スリッドが前方に、下側の切り込みは後ろになります。正常な向きに戻して下さい。これはAWシリーズ全機種共通です。
原因5スプリングガイドを奥まで締め過ぎている
スプリングガイドを奥まで締め過ぎていると、物理的に押しボタンのレバーを全開の位置まで引けず、塗料の出が悪くなります。
分解組み付け時を境に、急に塗料の出方が悪くなったと感じる症状は原因4の症状と似ています。
スプリングガイドは、本来エアブラシの押しボタンを引く感触の調整に使用する為、この部品をきつく締めると押しボタンの引きが硬くなり、逆に緩めると柔らかくなります。本来は自分の好みに合わせて調整するものですが、一般的にネジは奥まで締めるという常識がありますので、お客様の中には奥まで締め込んでしまう方が一定数いらっしゃいます。
奥まで締めると押しボタンを十分に引けなくなり、塗料の出方が悪くなります。一方で、スプリングガイドを緩め過ぎると、ニードルが正しく戻らなくなり、塗料が止まらない問題が起こることがあります。このため、適切な締め具合で使用することが重要です。
画像はスプリングガイドを奥まで締め込んだ状態です。この状態で押しボタンを引いても物理的に全開の位置まで引けず、塗料の出方が悪く感じます。
通常はこの位の締め具合が適切です。引き具合の硬さを見ながらお好みで調整して下さい。
原因6ノズルのセンターがずれている
ノズルのセンターがずれていると様々な不具合があります。細い線が出ない、ミストが粗い、レスポンスが悪い(沢山引かないと塗料が出ない)など、一般的に調子の悪い状態になります。エアブラシワークスでは出荷前の点検項目となっておりますが、万が一調子の悪いエアブラシがあった場合はサポートチームにご連絡下さい。保証の対象となります。
ただしご自身でノズルの分解または交換を行った場合は、ご自身でノズルセンター出し作業が必須となっておりますので、保証の対象外とさせて頂きます。
ノズルのセンターの確認方法はルーペを使用します。ルーペはAmazonなどで1,000円程で入手出来ます。
ルーペを持っていない場合、応急処置としてスマホで撮影し、拡大すると確認出来ます。
ノズルのセンターを調整するにはノズルセンターツールを使用します。
ノズルのセンターが決まると非常に調子の良いエアブラシとなります。上級者の方はご自身でチューニングする事をお勧めします。
- ノズルセンターツールは「エアブラシメンテナンスAll-in-oneキット取扱説明書」から入手出来ます。
- ノズルのセンター出しの詳しい解説はノズルのセンター出しをご参照下さい。
- それでも良く分からない方はエアブラシワークスサポートチームがサポート致します。お気軽にご連絡下さい。
原因7 ノズル内が汚れている又はゴミが詰まっている
次に多いのがノズル内部の汚れです。エアブラシの塗料の出が悪かった場合などは、ノズルの内部の汚れやゴミの詰まりが原因です。ノズル内にゴミが詰まっていると、エアーだけを出していても塗料が勝手に漏れることがあります。このような状況は、通常、メンテナンス不足が根本的な原因となります。
多くの場合、しっかりと洗浄することで問題が解決しますが、洗浄しても改善されない場合はノズルを分解して洗浄する必要があります。この作業には、弊社が提供するエアブラシメンテナンスキット内のメンテナンスニードルが役立ちます。
ノズル内部の掃除方法を解説します。
まずノズルを分解し、洗浄液に数分間浸けて内部の塗料やゴミを溶かします。塗料の塊や異物がある場合は、メンテナンスニードルを使用して除去します。
AWシリーズのノズルは銅製で、一般的な真鍮製ノズルよりも強度が高く、変形しにくい構造になっています。ノズル内部の壁面をメンテナンスニードルで軽くこすりながら回転させ、汚れを取り除いてください。
ニードルで壁面を擦ったら、もう1本のエアブラシに洗浄液を入れ、ノズルをピンセットなどで固定して吹き付けるとノズル内部まで洗浄出来ます。
ノズルOリングがエアブラシ本体に取り付いたままノズルをねじ込むと、ノズルOリングがエアブラシ内部に侵入して、ノズル内で詰まってしまうトラブルが報告されています。
ノズルを取り付ける際にはノズルOリングがエアブラシ本体に付いていないか確認してから取り付けて下さい。
ノズル内部に侵入してしまった場合、メンテナンスニードルなどで取り出して下さい。
症状3 塗料の塊が定期的に出る
塗料の塊や粒の様な物が定期的に出て来る症状です。
原因1 ニードルキャップを外さずに使用している
AWシリーズは全ての機種でニードルキャップを外す事を推奨しています。ニードルキャップを付けたまま使用し続けると、キャップ部分に塗料が溜まって、定期的に塗料の塊が出てしまいます。
原因2 ニードルの先端が僅かに曲がっている
ニードルの先端が曲がっている場合、曲がり部分に塗料が溜まって、定期的に塗料の塊が出てきます。目視で確認出来ない程の僅かな曲がりでも、この症状が出る場合があります。
ニードル挿入時など、どこかに少し当ててしまうだけでも僅かに曲がってしまいます。殆どの方が僅かに曲がっている事に気が付かない場合が多いです。
目に見えないニードルの曲がりの確認方法は、画像のようにニードルを指で軽くなぞってみます。人の指先は数ミクロンの段差を感知できるとされています。もし引っかかる感覚があれば、それはニードルが曲がっている証拠です。
症状4 エアーが出ない(空気が出ない)
押しボタンを押してもエアーが出ない症状です。
原因1 ノズルキャップ内の汚れ
エアブラシでエアーが出ない場合の大半は、ノズルキャップ内に塗料が漏れて固まり、エアーの通路を塞いでいることが原因です。この問題を解決するためには、洗浄液を使用してノズルキャップをきれいに洗浄してください。
また、エアブラシを使用した後は、必ずノズルキャップを外して内部に汚れがないか確認しましょう。汚れが見つかった場合は、すぐに掃除を行うことが重要です。これにより、エアーの流れを妨げる原因を取り除き、エアブラシの性能を保持することができます。
症状5 エアーが止まらない
押しボタンを離してもエアーが出続ける症状です。ボタンを押さない状態なのにエアーが出たりします。ボタンを引っ張り上げると止まりす。これはエアブラシを長期間使用するとあらゆるエアブラシで起こる現象で、エアブラシを長期間使用する上で最低限知っておきたい知識となります。この現象になった時にエアブラシのオーバーホールを行う時期となります。
原因1 押しボタンOリングの汚れ
図の塗料エリア(青)とテールエリア(オレンジ)はニードルパッキン(赤)で分けられており、通常はテールエリアに塗料が漏れることはありません。しかし、長期間の使用によりニードルパッキンネジが緩むと、テールエリアに塗料が漏れ、更にエアーバルブエリア(緑)にまで塗料が染み込んで来ます。
エアーバルブエリアまで塗料が染み込むと、押しボタンのOリングに塗料が固着し、ボタンを離しても戻らずにエアーが出続ける症状が起こります。
この漏れた塗料が押しボタンの可動部分に固着する事によって、押しボタンがスムーズに動かなくなり、エアーが止まらないといった問題が発生します。まさにボタンを引っ張り上げると止まるといった症状です。
応急処置として、汚れを落とし、押しボタンにグリスを塗布する方法がありますが、これは一時的な解決策に過ぎません。
根本的な解決のためには、ニードルパッキンネジを締め直す必要があります。また、テールエリアが塗料で汚れているので、エアブラシのフルオーバーホールが必要です。これには、私たちが提供する「エアブラシメンテナンスAll-in-oneキット」が役立ちます。購入方法、使用方法、オーバーホールの手順については、下記のページをご参照ください。
原因2 押しボタンのバリ
押しボタンにバリが付いている場合があります。バリによって押しボタンが戻らなくなり、エアーが止まらない症状になります。
対策としてはヤスリで削ります。通常出荷前の検査項目となっておりますので、万が一押しボタンのバリが原因の場合、90日間の保証対象となります。エアブラシワークスサポートチームまでご連絡下さい。
症状6 エアーが僅かに漏れる
押しボタンを押してないのにエアーが僅かに漏れる症状があります。
原因1 エアーバルブ内のOリングが外れている
エアーが僅かに漏れる症状の原因にエアーバルブ内のOリングが外れている事があります。通常の位置にはめ直すと症状が改善します。
しかし据え置きの大型コンプレッサーで1Mpaなどの高圧でエアブラシを使用すると、Oリングがすぐに外れてしまいます。
エアブラシAWシリーズの使用最大圧力は0.4Mpaです。据え置きの大型コンプレッサーで使用する場合はレギュレーターで減圧して使用して下さい。
使用圧力を守ったのにエアー漏れしてしまう場合は90日間の保証対象となります。エアブラシワークスサポートチームまでご連絡下さい。
高圧で使用してしまい、エアーが止まらない症状になった方は修理方法を記事にしましたので、下記のリンクをご参照下さい。
症状7 細い線が出ない
細い線が出な場合の対処方法です。
原因1 ニードルが曲がっている場合
細い線が出ない9割の原因はニードルの曲がりです。肉眼では見えない曲がりでも少し曲がっているだけで細い線が描けません。
まず肉眼でも見てみます。それでも分からない場合は指でニードルを触ってみます。人間の指先は数ミクロンの段差が分かるといいます。ニードルが曲がっている場合指で触ると段差が分かります。
ニードルが曲がっていた場合ニードルを交換して下さい。
ニードルの曲がりを確認するにはマイクロスコープがあると一目瞭然です。ネットで一千円程で購入出来ます。
ニードルは消耗品となりますので、通常は90日間保証の対象外となります。細い線は出荷前の点検項目となっており、通常はニードルが曲がっている事はありませんが、新品時に曲がっている事が確認出来た場合に限り保証の対象とさせて頂きます。エアブラシワークスサポートチームにご連絡ください。
原因2 ノズルのセンターがずれている
ノズルのセンターがずれている場合も細い線が出ません。ノズルセンターツールを使用してセンターを出して下さい。
原因3 ノズルの変形
エアブラシを落下させた場合など、ニードルを曲げてしまう時にノズルも傷付いている場合があります。ルーペで覗くとノズルの先端がボロボロになっている物もあります。ノズルの先端にバリがあったりするとエアーの流れが広がって線が太くなります。この場合はノズルの交換が必要です。
エアブラシの調子が悪い場合、多くの症状はノズルを交換することで解決可能です。ノズルは消耗品なのでいくつかストックをしておく事をお勧めいたします。ノズルなどの消耗パーツは下記から入手可能です。
過去30年間、プロとしてほぼ毎日エアブラシを使用してきた私からのアドバイスです。高品質で精密に作られた機種であっても、ノズルには当たり外れが避けられません。そのため、ノズルは複数試してみることを推奨します。
症状8 エアーが逆流する(うがい状態になる)
塗料カップからボコボコとエアーが逆流する症状です。お客様からのお問い合わせでは「うがい状態」と表現される方が多いです。
下記の4つの原因のどれかに必ず該当しますので、再確認をお願い致します。
原因1 ノズルキャップが緩んでいる
ノズルキャップが緩んでいると、塗料カップからエアーが逆流します。
AWシリーズにはノズルキャップの根本にOリングが装着されています。しっかりと締めたつもりでも奥まで締まっていない場合があります。しっかりと奥まで締めて下さい。
しっかりと奥まで締める事が出来ない方はペンチなどを使用して奥までしっかりと締めて下さい。
キャップの緩みが原因で返品されるお客様もいらっしゃいますが、本来は保証の対象外となります。
ノズルを奥までキツく締め過ぎている方は、少しの緩みでエアーが逆流する場合がありますので、ご注意ください。
原因2 ノズルの緩み
ノズルが緩んでいると、ノズルのネジの隙間からエアーが入り込んで逆流する場合があります。ノズルをしっかりと締めて下さい。
原因3 ノズルベースが緩んでいる
AW-3、AW-4シリーズはノズルベースが分解出来る仕様になっており、ノズルベースが緩んでいると塗料通路にエアーが入り込み逆流する症状が出ます。
ノズルベースをしっかりと締めて下さい。しっかりと締める事が出来ない方は工具などを使用して締めて下さい。
ノズルベースの緩みで返品される方もいらっしゃいますが、本来保証の対象外となります。
原因4 ノズルのシール不良
これはノズルを頻繁に分解する場合に良く起こる原因です。
ノズルを分解した場合は保証の対象外となります。その場合の修理方法は下記をご参照下さい。
ノズルを分解していないのにエアーが逆流する場合は保証の対象となります。エアブラシワークスサポートチームにお問合せ下さい。
エアー逆流のメカニズム
通常のエアブラシの構造は、塗料の通路と空気の通路が隔てられています。
AWシリーズはノズルの付け根部分にOリングが装着されていて、塗料の通路と空気の通路をOリングのシール効果によって隔てています。
ノズルOリングは消耗品となりますので、何度も分解組つけを繰り返していると損傷してシール効果が悪くなってしまいます。
ノズルOリングのシール効果がなくなると、ノズルの付け根から塗料の通路にエアーが入り込み、塗料カップからエアーが逆流するようになります。
この状態で塗料を吹き出すと、断続的に塗料が出て、点々とした線が描けます。これは、塗料の中にエアーが混じり、塗料とエアーが交互に出るためです。
このような症状が出た場合は、ノズルを交換するか(ノズルOリング単体では販売していない為)、ノズルシール剤を使用してノズル部分にシール効果を出す必要があります。
原因4ノズルのシール不良の修理方法
ノズル0リングが破損した場合、ノズルOリングを取り出し、ノズルシール剤を塗布します。
ノズルシール剤は弊社から販売しているエアブラシメンテナンスAll-in-oneキットで入手可能です。
重要!ノズルシール剤を塗る場合、ノズルOリングは取り外して下さい。
ノズルシール剤は画像の様にノズルのネジ部の付け根に塗布します。ノズル内部にシール剤が入らない様に注意して下さい。
ノズルシール剤が少ないと、シール効果が出ませんので、しっかりとネジ部分に塗布して下さい。
ノズルレンチで締め付けます。ノズルは締め過ぎると簡単に折れてしまいますが、緩過ぎてもシール効果が出ません。レンチの締め付けで止まった所から少し締める程度にして下さい。
はみ出したシール剤をウエスなどで拭き取ります。
ノズルシール剤は基本的には乾燥しませんので、塗布後すぐに使用できます。
万が一折れてしまった場合は本体に残ったネジをメンテナンスニードルで取り出します。
ノズルが折れてしまった場合はお客さご自身での破損となりますので、保証の対象外となります。折れてしまった方は下記の記事を参照して下さい。
ノズルのセンター出し
ノズルを分解した際にはノズルのセンターの確認を必ず行って下さい。ノズルのセンター出しについては下記のページをご参照下さい。
症状9 塗料が漏れる
エアーのみを出しているにもかかわらず、塗料が漏れてしまう症状についての説明です。
原因1 ニードルの調整がずれている
この問題は、ニードルの調整が適切でないことが原因で起こります。解決策としては、テールキャップを外し、ニードルを調整してください。具体的な調整方法は、製品の取扱説明書を参照してください。
【保証の対象外】
出荷前には、全製品に対してニードルの位置を最適な状態に調整しています。この「最適な位置」とは、塗料がギリギリ出ない位置を指します。この状態がエアブラシを最も扱い易くします。しかし、塗料がギリギリ出ない位置が故に気温の変化などのわずかな環境変化により、ニードルの位置がずれることがあります。これにより、新品の状態であっても塗料が漏れてしまうことがあります。ニードルの調整は、エアブラシの使用において全ユーザーが行うべき重要なメンテナンス作業です。したがって、新品時でもニードル調整によって解決可能な塗料の漏れは、90日間の保証対象外となります。この点については予めご理解いただけますと幸いです。
【保証の対象】
いくらニードルを奥に押し込んでも塗料が漏れてしまう場合が稀にあります。これはノズルの変形か、ノズル内部でゴミが詰まっています。新品時にこの症状が出た場合は保証の対象となります。エアブラシワークスサポートチームにお問い合わせ下さい。
原因2 ゴミが詰まっている
ノズル内にゴミが詰まっている場合があります。ノズルの穴を照明に照らしてみて、ノズルの穴に何か詰まっていないか見て下さい。
ゴミが詰まっている場合、メンテナンスニードルを使ってゴミを除去します。
その後、別のエアブラシに洗浄液を入れてノズルの穴に向かって吹き付けると効果的です。
メンテナンスニードルはAWシリーズの銅製ノズルのみの使用が可能です。他メーカー真鍮製ノズルで使用するとノズルが破損しますので、ご注意ください。
原因3 ノズルの変形又は割れている
何ををしても塗料が漏れる場合はノズルが変形しているか、割れています。その場合はノズルを交換して下さい。ノズルとニードルは消耗品なのでいくつかのストックをお勧めします。
原因4 ニードルパッキンネジの締め過ぎ
ニードルパッキンネジを締め過ぎるとニードルの動きが渋くなり、塗料が止まらない場合があります。ニードルパッキンネジを緩めてニードルがスムーズに動く様に調整して下さい。
症状10 ニードルが動かない
ニードル止めネジを緩めてもニードルが動かない症状があります。
原因1 ニードルパッキンに塗料が固まっている
エアブラシをしばらく使っていないと、エアブラシ本体内の塗料が固まってニードルが動かなくなります。弊社が運営していたエアブラシスクールでも、前回のスクールから練習してない生徒さんのエアブラシは良くこの現象が起こります。
下の図の赤矢印の部分がニードルと塗料が固まって固着している部分です。
対処方法は簡単です。
ペンチなどでニードルを抜きます。
画像の部分に塗料が付着していますので、洗浄液で洗浄します。洗浄すれば問題無く使えます。
原因2 ニードルパッキンネジを締め過ぎ
エアブラシの分解組み付けの際ニードルパッキンネジを締め過ぎているとパッキンが潰れてニードルが動かなくなります。少し緩めて使用するか、締め過ぎていてパッキンが潰れていた場合は交換が必要です。
症状11 線が途切れる
線が画像の様に途切れる場合の対処法です。
原因1 エアー圧が低い又は塗料の粘度が濃い
線がバババっと途切れる場合、エアー圧が低い場合か塗料の粘度が濃い事が多いです。まずはエアー圧と希釈具合をチェックして下さい。
原因2 塗料カップからエアーが逆流している
塗料カップからブクブクとエアーが逆流している場合、塗料とエアーがかんでしまいますので、線が途切れてしまいます。詳しくは【症状7】をご参照下さい。
原因3 ノズルの不良
ノズルは精密に作られていますが、小さなパーツですので当たりハズレがどうしてもあります。何をしても治らない場合はノズルを交換する事をお勧めします。
症状12 エアブラシから水が出てくる
湿度が高い日には、多くのエアブラシユーザーが経験する一般的な症状です。コンプレッサーで空気を圧縮する際、空気中の水分が凝縮して水滴となり、エアブラシから水が出てくることがあります。この現象はトラブルではなく、物理的に起こり得る状況なので、問題の原因よりも対策に重点を置いた方が効果的です。
対策1 水取りフィルターを取り付ける
水分を除去するために、エアブラシに水取りフィルターを取り付けます。これにより、圧縮空気から水分を効果的に分離し、エアブラシから水滴が出るのを防ぐことができます。
対策2 レギュレーターをコンプレッサーから離した位置に取り付ける
レギュレーターをコンプレッサーから離れた位置に設置すると圧縮空気の温度が下がります。温度が下がると水蒸気が水滴に凝縮しやすくなるなり、その状態でフィルタリングする事で水分除去の効率が向上します。
対策3 エアータンクを取り付ける
エアータンクを使用することで、圧縮空気を一度タンクに貯めてから使用します。タンク内で空気が冷却され、水分が分離しやすくなります。これにより、エアブラシから出る空気が乾燥しているため、水滴の問題が減少します。
これらの対策を施すことで、エアブラシ使用時の水分問題を大幅に軽減することが可能です。
エアブラシワークスサポートチーム
エアブラシワークスでは、お客様に最高のサポートを提供するため、専門のサポートチームを設置しています。製品に関するご質問や、使用上の問題などに迅速かつ的確に対応いたします。
連絡先:
サポート内容
- 製品の使い方に関するアドバイス:
初心者から上級者まで、エアブラシの使用方法に関する幅広い質問に対応します。 - トラブルシューティング:
エアブラシのトラブルや技術的な問題について、詳細な解説と解決策を提供します。 - メンテナンスと修理:
定期的なメンテナンスや修理が必要な場合には、具体的な指示を行い、必要に応じて修理サービスを提供します。 - 90日間メーカー保証
エアブラシワークスの全製品は90日間のメーカー保証が付いています。初期不良、トラブルシューティングで解決出来ない不具合はエアブラシワークスサポートチームにお問い合わせ下さい。
エアブラシワークスサポートチームは、お客様がエアブラシを快適に使用できるよう、全力でサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。