エアブラシワークス AW-103 & 12V コンプレッサーAW-C1エアブラシセット
この度はエアブラシワークスAW-C1をご購入いただき、誠にありがとうございます。
弊社は20年以上にわたりエアブラシアートスクールを運営し、その豊富な知識と経験を活かして、初心者の方にもわかりやすくエアブラシの使い方をサポートするための取説兼専用サイトをご用意いたしました。安心してエアブラシを楽しんでいただけるよう、丁寧に解説していますので、どうぞご活用ください。
はじめに
製品の概要と使用目的
エアブラシワークスAW-C1エアブラシセットは、ホビー塗装や模型、プラモデルの塗装に適したエアブラシキットです。本製品は、細かな塗装作業を高精度で行うことができ、初心者でも安心して使用できるサポート付きのセットです。
使用目的
エアブラシは塗装する為の道具です。それ以外の用途には絶対に使用しないで下さい。
誤った使用用途による故障や事故や損害などが起きましても、弊社では一切の補償、責任を負いかねます。使用中に異常がある場合、ただちに使用を中止して下さい。
安全上の注意
【警告】重大な事故の原因となります
- 火気や高温物の近くでの使用禁止 本製品は引火性の液体を使用する場合がありますので、火気・高温物から遠ざけて使用してください。
- 屋内での使用時は換気を行う シンナーなど揮発性溶剤を使用する場合は、必ず十分な換気を行い、蒸気を吸い込まないようマスクなどをしてご使用ください。
【注意】けがや器具損傷の原因となります
- 本製品を高所から落下させないでください。機器の破損やけがの原因となります。
- 塗料が固形化する恐れがあるため、必ず指示された粘度に希釈してから使用してください。
- ニードルの先端は非常に鋭く危険な為取り扱いには十分注意して下さい。
- お子様だけでのご使用は避け、保護者の方の監視の元お使い下さい。
- 乳幼児やペットの居る環境での使用は絶対に使用しないで下さい。
保証に関する情報
コンプレッサーの保証期間はお買い上げ日から1年です。エアブラシなどのコンプレッサー以外の備品の保証期間は90日です。保証期間内での故障や不具合が発生した場合、無償で交換いたします。
保証の適用は、取扱説明書に従って使用している場合に限られます。改造や誤用、外的要因による損傷は保証対象外となります。
サポート窓口
セット内容と各部名称
エアブラシセットAW-C1 セット内容と各部名称
ミニコンプレッサーAW-C1各部名称
エアブラシAW-103各部名称
インストール方法
簡易エアブラシホルダーを取り付けます。
エアーホースをコンプレッサーのエアー接続ネジに取り付けます。
グリップフィルターをエアブラシに取り付けます。
ドレンの向きはお好みの締め具合で調整して下さい。
グリップフィルターとホースを接続します。
エアブラシホルダーにエアブラシを差し込みます。
ACアダプターをチャックに取り付け、100Vコンセントに差し込みます。
赤いランプが点灯します。ランプが点灯するまで20秒ほど掛かる場合もあります。
コンプレッサーの動作チェック
電源ボタン(赤いボタン)を押しコンプレッサーを起動します。ONになるとボタンが緑に変化します。
コンプレッサーは空気圧が0.16Mpaまで貯まると自動で停止し、エアーを出すと自動でONになります。
エアーを出してないのにコンプレッサーがずっと起動している場合、どこかでエアーが漏れています。ホースなどを増し締めして下さい。
エアブラシの先端からもエアーが漏れていないか確認して下さい。
それでもコンプレッサーが止まらない場合、初期不良が考えられます。サポートチームまでお問い合わせせ下さい。
流量調整ボタンは3段階あり、ボタンを押すたびに表示の色が変わり、エアーの流量を調整できます。
基本的には「流量大」で使用します。
このコンプレッサーはエアブラシAW-103の推奨圧力0.16Mpaに自動で調整されます。
エアブラシの押しボタンを押し、エアーが出る事を確認します。
ボタンを離したらエアーが止まる事も確認して下さい。
コンプレッサーはオートスイッチが作動してエアーを出すとONになり、使用してない時はOFFになります。
エアーを出していない時にコンプレッサーがしっかりとOFFになっている事を確認して下さい。
コンプレッサーの動作チェックはここまでです。
エアブラシAW-103の動作チェック
ここからエアブラシの動作チェックをします。動作チェックにて不良が確認された場合、初期不良として保証の対象をなりますので、使用前に必ずチェックして下さい。
エアブラシの蓋を開けて紙コップなどを使用して水を入れます。
蓋の開け方のコツ
塗料カップの蓋は、出荷前に適切な硬さに調整されています。蓋が簡単に脱落すると、塗料がこぼれて作品を汚す恐れがあるため、ある程度の硬さに設定されています。蓋が硬い場合、以下の方法をお試しください。
蓋を上に引っ張るのではなく、爪を引っ掛けて開けます。
上に引っ張る開け方
爪を引っ掛ける開け方
上記の方法を試しても蓋が硬すぎて開かない場合や、蓋が緩くて脱落してしまう場合は、蓋としての機能を果たしていないため、保証の対象となります。エアブラシワークスサポートチームにお問い合わせ下さい。
ダブルアクションエアブラシの操作
エアブラシAW-103はダブルアクション方式を採用しています。これは、“エアーを出す操作”と”塗料を出す操作”のダブルの動作が必要であるという意味です。
エアーを出す操作→押しボタンを押す
塗料を出す操作→押しボタンを押しながら引く
エアブラシは押すとエアーが出て、押しながら引くと塗料が出ます。エアブラシの操作方法は後ほど詳しく解説しますので、まずは塗料カップに入れた水が正常に出ているか確認します。
吹付けのチェック
正常に出ている場合の動画と比較して、同じ位の噴霧具合かを確認して下さい。
異常がある場合の例として、流量が極端に少なかったり、斜めに塗料が飛んだりします。エアブラシは全個体吹付けテストを経て出荷しておりますが、万が一異常があった場合はサポートチムまでお問い合わせ下さい。
塗料漏れのチェック
次に水がまだ塗料カップに入った状態で押しボタンを押すだけにし、エアーだけ出します。
エアーだけ出している状態(押しボタンを押すだけ)で塗料が漏れて来ないかチェックします。
漏れてしまう場合→ニードルの調整をします。ニードルの調整をする場合は次に進んで下さい。
漏れない場合→動作チェック完了です。異常はありませんので、ニードルの調整を読んでから、↓のエアブラシの基本操作に進んで下さい。
この時点で何か不具合があった場合、速やかにエアブラシワークスサポートチームにご連絡下さい。迅速に対応させて頂きます。
ニードルの調整
塗料が漏れた場合は、ニードルの位置を再調整すれば改善されます。動作チェック時に問題がなくても、この先使用中に漏れが発生することがあります。そのため、ニードルの調整は全てのユーザーが行うべき重要なメンテナンス作業です。
出荷前に、すべての製品でニードルの位置を最適な状態に調整しています。この『最適な位置』とは、塗料がギリギリ出ない位置のことです。この調整が、エアブラシを使いやすくします。
しかし、気温の変化などの環境によってニードルの位置がわずかにずれることがあります。そのため、新品でも塗料が漏れることがある場合があります。
ニードルの調整方法
テールキャップを取り、ニードルナットを緩めます。軽く緩める程度で良いです。
親指で押しボタンを押しエアーだけを出します。
画像ではニードルキャップを外していますが、初心者の方はニードルキャップを付けたまま作業して下さい。
ニードルを引いて塗料を出します。
少しづつニードルを挿入して、ギリギリ塗料が止まる所を探ります。
調整が出来たらニードルナットを締めます。
動画があるので参考にして下さい。
いくら調整しても塗料が漏れてしまう場合、保証の対象となります。サポートチームにお問合せ下さい。
エアブラシの基本操作
塗料の入れ方(混ぜ方)
エアブラシは非常に精密な塗装機器のため、濃い塗料をそのまま使うと詰まりの原因になります。ほとんどの場合、新品の塗料でもエアブラシには濃すぎることが多いです。必ず希釈剤で薄めてから使用し、原液のままエアブラシに入れないようにしてください。
*弊社で発売しているエアブラシ専用塗料Brusherアクアは希釈なしでも使用出来る様に調整されています。
必ず、絵皿や紙コップなどで塗料を希釈剤と混ぜてからエアブラシの塗料カップに入れてください。
希釈の目安
希釈の目安は塗料の種類によって変わって来ますが、今回はプラモデル用のラッカー塗料を例にしています。塗料原液に対して希釈剤を1倍、3倍、5倍としてペイントした例です。
希釈が多いほどミスト(霧)は細かくなり、少ないほどミストは荒くなります。
塗料:希釈剤=1:1
ミストの荒さが目立ちますが、濃く色が付きます。エアブラシからの塗料の出方は良くありません。
使用例
広い面を塗り潰す場合などに使用します。
AW-C1コンプレッサーの出力では塗料の濃度が濃すぎます。
塗料:希釈剤=1:3
ミストは若干荒いが塗料はスムーズに出ます。
使用例
グラデーションを入れたり、中程度の面積をペイントする場合に使用
AW-C1コンプレッサーではこの希釈比率から使用できます。
塗料:希釈剤=1:5
ミストは細かく綺麗ですが、色がかなり薄くなります。
使用例
細い線や点を描く場合、薄いグラデーションを入れたい場合に使用
AW-C1コンプレッサーではアートなどの細かい作業も可能です。
この塗料の例でも分かる様に、希釈剤は最低でも塗料に対して2倍は入れます。通常使用は3倍〜、細い線や点を描く場合や、薄いグラデーションを入れる場合は5〜7倍程を入れます。
塗料の種類や古さによって希釈具合は変わって来ますので、エアブラシからの塗料の出方、ミストの細かさを目安に希釈具合を調整して下さい。
塗料カップに塗料を入れた後に希釈具合を再調整したい場合は、希釈剤を足した後、エアブラシの先端を押さえ、塗料を逆流させてブクブクと混ぜます。
10〜20秒ほどで混ざります。
エアブラシの塗料の希釈具合は使用する目的に応じて変更します。特にアートなどの細かい作業から広い面のグラデーションなど様々なペイントシーンがある場合には希釈具合を頻繁に変更します。
塗料を混ぜた後、エアブラシのノズル先端内部に濃い塗料が溜まっている事が多く。吹き始める前に必ず捨て吹きをします。
ダブルアクション操作の練習
エアブラシの操作に慣れる為に、以下の操作を練習してみて下さい。
1、まずエアーだけを出す。
押しボタンを押すだけにしてエアーだけを出します。
2、塗料だけを出して止める
エアーは常に出し続け、塗料だけを出したり止めたりを繰り返します。塗料を止める際にエアーを止めない練習をしてみて下さい。
4、最後にエアーを止める
エアブラシの操作中は常にエアーを出し続け、全ての操作の最後にエアーを止めます。
エアーを最後に止めないと、ノズルキャップ内に塗料が溜まり、次にエアーを出した時に画像の様に塗料を飛ばしてしまうミスをします。作品を汚してしまう前に、最後にエアーを止める練習をしましょう。
動画は極端な例として操作しています。
塗料の粒を飛ばしてしまう失敗例
弊社の20年以上のエアブラシスクール運営経験から、多くの方が「押す」と「引く」の同時操作を難しく感じることが分かっています。そこで、押しボタンは押し続けてエアーを継続的に出し、塗料の出し入れにだけに集中する方法をおすすめします。弊社のデーターではこのアプローチで多くの方がスムーズに操作できるようになっています。
点を描く
ダブルアクションの操作に慣れてきたら、点を描く練習をしてみましょう。点を描く事によってエアブラシの操作に慣れてもらう事と、エアブラシの塗料の出方を理解してもらう事が出来ます。
ここからはニードルキャップを外します。エアブラシで作業をする際には基本的にニードルキャップを外します。
ニードルキャップを外す際にノズルキャップも緩めてしまう事がありますので、ノズルキャップをしっかりと締めて下さい。
外す理由はニードルキャップ内に塗料がたまってしまう事と、細かな作業が出来ない事です。
ニードルキャップを付けたまま作業をすると、塗料の塊が飛んで作品を汚してしまいます。
外すとニードルが剥き出しになりますので、気を付けて作業をして下さい。画像の様にエアブラシの先端を持つとニードルを曲げてしまう事故が減ります。
エアブラシを対象物から2〜3cm程離して、押しボタンを僅かに引きながらドット(点)を吹いてみます。
ポイントは僅かに引く事と、塗料を出したらすぐに止めて乾かしながら数回に分けて吹くことです。
次は同じ距離で押しボタンを沢山引きます。
すると塗料が滑って花火の様な模様が出来ます。
これは画面に付着した塗料が乾く前に次の塗料が付着して、塗料が滑っている状態です。
今度は距離を離して押しボタンを少しだけ引いてみます。花火の様に塗料は滑らず少し大きな点が描けます。
今度は距離を離して押しボタンを少しだけ引いてみます。
すると先程よりも数倍大きなドットが描けます。
エアブラシの塗装パターンは、「エアブラシと対象物の距離」や「押しボタンの引き具合」によって変わります。
注目すべきポイントは押しボタンを多く引くことで、距離を離すよりもパターンが広がることです。
近い位置でボタンを多く引きすぎると塗料が滑ってしまいます。このため、距離と押しボタンの引き具合のバランスを練習し、適切な範囲での塗装をマスターしてください。注意点として、使用する塗料の粘度も影響を及ぼすため、希釈剤で調整して下さい。
グリップフィルターAW-016
このセットには水取りグリップフィルターAW-016が付属しています。空気をコンプレッサーで圧縮すると、水蒸気が水に凝固しやすくなる為、長時間使用しているとエアブラシがから水が出て来ます。グリップフィルターはその水をフィルターで濾過してドレンで排出する装置となります。完璧に水分が取れる訳ではありませんが、このフィルターが付いていない場合に比べて圧倒的に水分を除去してくれます。
水はドレンから排出できます。画像の様にドレンを押すと溜まった水が出て来ます。勢い良く水が出て来ますので、水を飛ばす方向に気を付けて下さい。
クリーニング方法
使用する塗料が水性の場合
水性塗料の場合は水道やバケツなどに水を張って洗浄します
水が透明になるまでブクブクと逆流させます。逆流のみだとノズル内に空気しか入って来ませんので、吹き付けと逆流を交互に繰り返すのがポイントです。
洗浄液と硬めの筆を使い、固まってしまった塗料を溶かし洗浄します。筆は豚毛の平筆が腰があって良いです。
エアブラシ本体も汚れた部分を洗浄液で溶かし洗浄します。
使用する塗料が溶剤系の場合
シンナーなどの洗浄液をカップに入れ、吹き付けと逆流を交互に繰り返し、洗浄液が透明になるまで繰り返します。
ウエスや固めの筆などで周りに付着した塗料を洗浄します。
最後にシンナーなどの洗浄液を入れ逆流した時に透明になっていればOKです。
ニードルの清掃
クリーニングの後、テールキャップを外してニードルを抜いて、画像の部分をクリーニングして下さい。この部分は塗料カップとテールエリアを隔てるニードルパッキンがある部分で、その部分で塗料が固まるとニードルが固着して動かなくなってしまいます。
ノズル周りの清掃
ノズルキャップを外して確認します。ノズルとノズルキャップ内に塗料が付着していたら掃除が必要です。
洗浄液を付け筆やウエスなどで洗浄します。この部分はノズルキャップ内でエアーの通り道になり、少しでも汚れているとエアブラシの調子を悪くしてしまいます。エアブラシの調子が悪くなったら、まずはこの部分の掃除をすると解決する事が多いです。
ノズルの分解について
ノズルは使用後清掃するたびに分解清掃しないで下さい。
ノズルに付いているノズルOリングは消耗品となる為、頻繁にノズルを分解すると、Oリングが破損して、ノズルのシール効果が無くなりエアーが逆流してしまいます。
しかし、以下の様にどうしてもノズルの分解が必要な場合があります。
- サフやメタリックなど粒子の粗い塗料を使用し、ノズル内が詰まった場合
- 古い塗料を使用して塗料のゴミがノズル内に詰まった場合
- 定期的なオーバーホール時
基本的にエアブラシから塗料が出なくなった場合は下記の記事を参考にノズルを分解清掃して下さい。
定期的なメンテナンス
エアブラシは精密な道具である為定期的なメンテナンスが必要になります。
エアブラシのメンテナンスに必要な道具
エアブラシのメンテナンスに必要な道具は弊社から発売しているエアブラシメンテナンスキットが必要です。
AW-103を実際にオーバーホールした解説記事がありますので、必要になった方はご参照下さい。